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zoom RSS オーナー会社の抱えるリスクと人材の確保

<<   作成日時 : 2015/07/29 20:20   >>

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私の勤務先は、これまで何度か説明しています通り、独立的な中小企業によくあるワンマン型オーナー会社です。大企業系列以外の中小企業というものは、ほぼこのワンマン型であり、創業社長が絶対権力を持っています。

企業組織がそれほど大きくない場合は、中央集権体制でないと小回りが利きませんし、そもそも優秀な人材がおりませんので、指揮官である社長がすべてを考え、企画し、お膳立てをしてから部下に号令をかけて現場運営を行います。

ワンマン体制ですと、独り決めなので意思決定が速く、しかも社長権限が絶大ですので部下も反抗するヒマも余力もなく、すべてについて実行・実施もスピーディーです。

それはそれで中小企業の大きなメリットということができますが、それを裏返せば弱点にもなります。つまり、社長の指示がなければ何も出来ない、決まらない、ということで、社長とともに栄え、社長とともに滅びる・・・、それはほとんどの中小企業が抱える宿命的リスクです。

中小企業の抱えるリスクなるものを挙げてみますと、主要なものは次の4つでしょうか。

@ワンマン体制であり、社長以外に実力者がいないこと。
A小資本であるが故に事業リスクの吸収余地が乏しいこと。
B優秀な人材の確保が困難であること。特に後継者問題。
C社長が支離滅裂な指示を出して人心が離れること。

@ABとも相互に大きく関係しますが、要は小体で儲けが乏しくカネも知名度もないので、十分な宣伝もブランド化もできず、優秀な人材は雇用できないということです。

そうであるならば、中小企業はずっと中小企業のままではないかということになりますが、それでも、そこから中堅企業、大企業へと成長するための中心要素というのは、矛盾していますが、ひとえに優秀な人材の登用という一言に尽きると思います。

とは言え、一朝一夕に、優秀な人材を登用するというのはさすがに困難です。そもそもが知名度の低い、給料の安い中小企業に良い人材など来るはずがありませんから、ウチには二流三流の社員しか来ないものなのだという諦観的現状認識をまず持って、今現在取りあえず勤めているところのウチの次長や主任を相応に訓練・指導して、何とか使っていくということから開始するしかありません。

そうしている間に資金力を蓄え、利益率を高めておいて、石田三成が有名な島左近を召抱えたように、会社が半分傾くくらいの破格の給与・待遇でもって優秀な人材を公募・採用することです。

以前説明しましたように、気張って採用面接をしてみたところで、相手も当方を観察・値踏みしていますので、面接者である自分を上回る能力・資質の人材を採用することは普通にやっていたのでは、まずは出来ない話です。

破格の待遇でもって、ただの一人でも、優秀な人材を雇用できますと、会社の内容は大きく改善・良化します。それは、その優秀な人材が、自分のレベルに添う方向で周囲に働きかけ体制整備を行うからであり、たとえば島左近の優秀さは、豊臣政権の有能ではあっても一官僚に過ぎなかった石田三成(19.4万石)が、250万石の大大名であった徳川家康と関が原で対峙できたということでも証明されています。

Cについては、どうしても往々にして発生します。私が勤務していた前職におきましても、社長の支離滅裂で常識はずれの指示には苦慮したものです。たとば、来月本社を移転するから準備せよとかいった実現不可能な思いつきの指示も実際にありました・・・。到底無理なので、社員全員で無視しました・・・。

現在の職場におきましても同様のことはままあります。たとえば選挙活動です。選挙活動は、ウチの社長の半分病気のような趣味なので、社員は黙って大人の対応をしてはいますが、業務とは全く無関係でありますし、毎度繰り返しの会社組織を使っての活動は内心ではもういい加減うんざりという所です。後継者の養成が放置されている状態のまま、選挙活動などに血道をあげている場合ではないと、職員全員が感じてはいますが、役員以下誰も社長を止める者がおりません。

見当はずれな業務外の活動指示が、どれだけの無駄な負担を職員に負わせて、どれほど多大な勤務意欲阻害となるか、社長はよくよく認識しておくべきだと思います。中小企業の職員たちとはいえ、大企業と比較すれば能力的には劣後はしていますが、全くバカというわけでは当然ありませんので、社長の出した指示が常識的なものかどうかということは明確に判別・認識して指揮官を値踏みしています。この社長と、この先もずっと付き合って良いものなのかどうか、その点だけは皆判断が確かですから、余りにも理不尽な指示内容が重なりますと、次第に少しずつ徐々に職員は退職して去って行ってしまいます。

会社の跡継ぎに関しても同様に、職員たちは自分の生活と将来がかかっていますから、当然のようにその跡継ぎの言動や考え方、能力についても仔細に観察し、値踏みをしています。

たとえば、研修などで外部から稀に優秀な人材が来ていることがあり、社長の「跡継ぎ娘」が研修生に声を掛けて飲み会などに誘い、自社への将来的な就職の勧誘をしたりしていることがありますが、結果的には不発に終わってしまい、その跡継ぎ娘が不発となった理由付けをあれこれ思案していることがあります。

それは当然ながら、相手もその跡継ぎ娘を観察し、値踏みしていますので、将来的にここに就職したならば、この人物が自分の上司となって今後たとえば30年間顔を付き合わせることとなるのだという事実を思案・検討し、相性の問題やその跡継ぎ娘の経営能力、そして他の跡継ぎ(ウチの次長)の能力などを総合的に勘案して意思決定しますので、当然ながら就職はちょっと遠慮したいという結論に自然になってしまいます。

跡継ぎ娘は自分は勉強ができて優秀だという事実をもって経営も当然できると誤認していますので、自分一人でいつまで考えたところで、誘った相手に断られた理由は分かるはずもありません。社長も跡継ぎたちが経営能力的に見劣りすることは認識しているものとは思いますが、その肝心の教育訓練は放棄しているとしか見受けられず、結局のところは「多額の預金を蓄えているから後は自分たちで何とかしろ」的な姿勢に終始しています。もっとも、社長としても、その程度しか良い打開策はないのかも知れません。

一族経営に執着する限り、最大の懸案である後継者問題が未解決の当社は、二代目に移行してから後、残念ながらいずれは他社の軍門に下るのは間違いのないところであると思います。

組織も人間が運営する以上は、最大のリスクは人間に関係するものです。それも今日明日何かが勃発するものでもなく、大きな流れの中で少しずつ進行すために、平穏と見えてしまう日常の時間の流れの内にこそ、潜んだリスクがあるのだとも言えます。

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